まんじゅう塚
福田の玄蕃山という所がある。今は高速道路にかかってしまったかもしれぬ。
昔、吽野玄蕃守という長者様が住んでいた館の跡地でな、それはそれは金持ちだった。
館の廻りには、深い深い堀を巡らして大きな古井戸があってな。
そうさな、たたみ八畳敷ぐらい。そのあたりは湿地帯で、とっても美しい野草が咲き乱れてきれいだった。
サギ草やハエとり草、おらが名も知らない野の草がいっぱい、そんな所にあっちこっち「まんじゅう塚」があった。
農家の人たちが、
「こんなまんじゅう塚なんて、あったってしょうがんねぇよ。ぶっこわして畑にしてしまえ。」
と、言って畑にしてしまってな。とうとうまんじゅう塚がなくなっちゃった。
それは誰が言ったのか、風の声か塚の主かわからないが、まんじゅう塚を畑にして耕作した人たちに七代立たぬと言ったそうでな。
その人たちは、五代くらいまではいろいろ悪い事が続いて、とうとう落ちぶれてしまったそうな。